イエツグ代表の丹(たん)と申します。

実は私、不動産業界に入る前は消防士をしておりました。学生時代から「とにかく人の役に立つ職業に就きたい」という思いがあり、消防士になったのです。救助・救急・消火・予防の業務を通じて人から感謝され、非常に良い職業に就くことができたと感じ始めていた頃、東日本大震災が発生。私がいた栃木県では震度6弱を観測し、土砂災害や家屋の倒壊被害がありました。しかし、日中の大地震であったため、建物の倒壊による死者や負傷者は幸い少なかったようです。 地震直後、震災現場に駆け付け救助作業を夜通し行うことになりますが、そこで目にした光景は、老朽化した建物が見るも無残なまでに倒壊し、通行するのも危険な状態でした。倒壊した家屋に目を止めると、そこまで古くはなかったであろう建物もありました。そして目の前には、想い出の住宅が倒壊してしまい何世帯ものご家族の打ちひしがれている姿も……。それは、幾年が過ぎた今でも鮮明に目に焼き付いています。

その時、当時19歳の私は思ったのです。

「住宅の質を向上することにより、倒壊という最悪の事態は防げなかったのか?」

「大規模災害から生命・身体・財産を守るだけではなく、その人の想い出も守れる仕事がしたい」

と。

しかし、消防士が行える業務の範疇で、建物の倒壊を未然に防ぐことは正直難しいもの。これは、弊社イエツグを設立する6年前のできごとです。以来、住宅に興味を持ち、不動産業の道に進むことになります。

ではなぜ、建設業ではなく不動産業なのか。

それは、すでに建築技術は良いものがあったのにも関わらず、東日本大震災では全壊だけで118,636戸(国土交通省住宅局住宅生産課 2011年10月17日現在)という被害が発生してしまったため、建築技術を“縦に向上”させることよりも、“横に普及”させることの方が大事なのではないかと考えたからです。

そして、「次の大地震に備え、良質な既存住宅を提供するため」という私の思いに賛同してくれた者と、イエツグの日(2018年2月9日)に株式会社イエツグを設立いたしました。「イエツグ」という社名は、住宅と共に想い出も「人から人へ、継いでいく。」という想いが込められており、設立日の語呂合わせになっております。

イエツグの強みは、「定額制・格安仲介手数料サービス」と「リフォーム付き売却サービス」の2本柱です。  

ご購入やご売却はこちら

  弊社が仲介する物件には、いずれも「ホームインスペクション(住宅診断)」と「既存住宅瑕疵(かし)保険」を無償で付帯しております。これはお客様のご負担を下げるのみならず、既存住宅の維持・向上を目指してのことです。2020年4月の民法改正で、売主様が売却後の責任が「瑕疵担保責任」から「契約不適合責任」に変わっています。この変化により、“売買時点の状態確認”と“売却後の補償”の重要性が増したといえるでしょう。

弊社の「仲介手数料定額サービス」や「リフォーム付き売却プラン」は、売主様の負担なしに付加価値をつけた既存住宅を流通させられること、そして売主様、買主様の安心につながることが、他社との最も大きな違いとなります。

弊社は、近い将来起こりうる大震災の脅威を最小限に留めるべく、良質な住宅を流通させるという使命を掲げています。国土交通省によると、日本の既存住宅のシェア率は約30%。欧米諸国と比較すれば2倍〜2.5倍ほど少ないのです。

日本で既存住宅のシェア率が低い理由は、日本人の「新築信仰」の高さの表れだといわれています。国土交通省の『平成30年度住宅市場動向調査』によれば、分譲住宅購入時に「中古住宅にしなかった理由」として最も挙げられたのが、「新築の方が気持ち良いから(61.5%)」というもの。この結果を踏まえると、多くの購入者が検討段階で既存住宅を選択肢から外していることが考えられます。

弊社の「定額制・格安仲介手数料サービス」や「リフォーム付き売却サービス」は、既存住宅が安全で綺麗であると周知することができ、従来の「中古よりも新築」というイメージを払拭し、「新築よりも中古」というニーズに変えることができると信じております。然すれば、長期的には、次のような副産物にも期待できると考えています。

  • 新築時に建て替えを前提としていた耐久性の建築物が永く住めるよう設計される
  • 放置され倒壊の危険に瀕した空き家がメンテナンスをすると同時に内装も綺麗にされ活用される
  • 解体後の廃棄物処理に伴う温室効果ガスの排出量が減少される

弊社は小さな会社ではありますが、不動産流通という分野から社会貢献し、人々の役に立ちたいと強く団結しております。住宅に加え、お客様の“想い”をも守るべく、社員一同が同じ目標に向かって日々成長し、お客様の喜ぶ声を糧に精力的に活動していく次第でございます。